ベランダからの贈り物を分け合う

5月は薔薇の季節。この時期は、毎日起きるのが楽しみなぐらいベランダの薔薇が次々に咲きます。

ところが。鉢植えではひとつひとつの蕾がとても貴重だというのに、ちいさな青虫が蕾を食べてしまったのを発見しました。触るのも殺すのも嫌だなと思って、枝ごと切り取ってゴミ箱に捨てたのですが、しばらくすると床の上に緑色の小さな棒状のものが。なんと、青虫が蓋付きのゴミ箱から自力で脱出していたのです(しっかり閉まるブラバンシアのゴミ箱なのに!です)。

この生命力には感心しましたが、やはり邪魔者なので、葉っぱの上に誘導して葉っぱごとベランダから捨ててみました。どこか飛ばされた先で、達者にやっていってくれよ、と思いながら。

翌朝、起きて薔薇を見ると、青虫はまんまと帰ってきて、大事な一季咲きのオールドローズの蕾を食べていました。わたしは、もう諦めることにしました。青虫は昨日より心なしか大きくなっていました。こんなにたくましい青虫と闘うのはもうバカバカしいし、尊敬に値する生命力だと思ったのです。

青虫は、いちばん栄養のある蕾ばかりを食べます。花の中心だけを食べ散らかしたのを見て「せめてひとつひとつ、大切に完食してくれないかなぁ」と思っていたら、大きくなった青虫は、行儀よく蕾を丸ごと食べるようになりました。わたしは農薬や化学肥料を使わないので、青虫にとって、うちの薔薇は御馳走なのかもしれません。

虫の中でも、青虫は特に苦手だったのですが、ピンクの花びらを食べている様子はどこか微笑ましくて、ここまできたら蝶になるまで見ていたいなぁと思っています。

朝、ベランダから薔薇の花を摘んで部屋に飾るとき、いつもベランダからプレゼントをもらったような気持ちになるのですが、今年はその贈り物を青虫と分け合うことになったわけです。おかげで青虫を見守るという遊びができているのだなと考えると、自然の循環ってこんなことなのかな、なんて思ったりもします。