正直であること

仕事では「できるわたし」を装う場面があります。そのこと自体は、別に悪くはないと思っています。お客さまはできる人に仕事を安心して任せたい。自信がなさそうだったり、不安がっている人に仕事を任せたい人はいません。

それを受けたわたしは、結果さえ出せばいいのです。はじめて経験することでも「できる」と信じて真摯に取り組めば、必ずできますし、難しい場合もサポートしてくれる人が現れたりします。

ただ、正直であることが大切な場面もあります。

わたしは仲間と会社を経営していて、昨年経営状態が悪化したのをきっかけに、方向転換することを決めました。これまで見えないところでやっていた業務をメインの商品として強化し、それまでのメインの業務は、その付帯業務とすることにしました。絵に描いた餅ではありましたが、時代に合っているし、うまくいく気がしていました。

不思議なことに、そう決めた途端、まさにそういった仕事が入ってくるようになりました。わたしは「宇宙からサポートされてるわ!最強の応援団だわ」と呑気に喜んでいたのですが、仲間のひとりは不安だったようで、焦りや不安をぶつけられ、心が痛い毎日でした。そうなると人は、疑うことをし始め、本心を話さなくなります。人を責めることで、自分を保とうとし始めます。会議は、ただの肚の探り合いになり、決めるべきことは宙に浮いたままでした。

堪え兼ねたわたしは「もうこんな肚の探り合いみたいな打ち合わせはしたくない。わたしは新しい仕事に挑戦できてうれしいし面白い。それを皆で楽しみたい。思っていることがあれば言ってほしい。」と伝えました。

そうすると、久しぶりに、彼本来の良さが戻ってきました。正直に話をして、決めるべきことを決めることができました。自分が正直であることで、相手も正直になることができたのだと思います。

わたしにも「自分が避雷針になって我慢していればそのうち落ち着くだろう」と思っているところがありました。でも我慢は誰のためにもならず、満足するのはせいぜい自分のエゴぐらいのものなのです。正直さは、まさに、幸せの金の斧なのだなぁと思う出来事でした。